キャンバスは湿気と熱でたわむ
お天気が良くない日が続いているので、雨ネタです。
油絵や、アクリル画などで使われる「キャンバス」ですが
湿気と熱でたわみます。
梅雨時や猛暑にはご注意ください。
お店で買った時は、パンパンに張っていたキャンバスが
しばらくして見たら、なんか緩んでたわんでいる・・・・
そんな時は湿気を吸って、たわんでしまった可能性が高いです。
これは生地の特性なので、不良品というわけではありません。
◆原因◆
麻にはこのような特徴があります。
・麻で出来たキャンバスは、ゆっくりと水分を吸収するとたわむ。
・麻は急激に水分を含むと縮む。
なので、湿気の多い所に置いておくと、ゆっくり水分を含んでたわんでしまうのです。
余談ですが、キャンバスに部分的に凹みが出来てしまった場合、キャンバスの裏から水を霧吹きで吹き付けると、麻が縮んで凹みが改善します。(凹み具合にもよりますが)
ちなみにコットン(綿)で出来たキャンバスも、湿気を含むとたわみます。
◆対処法◆
・天気の良い日に、風通しの良い場所でキャンバスの裏側を天日干して乾燥させる。
・エアコンの効いた室内に1~3日ほど置いて乾燥させる。
乾燥させると元のパンパンに張った状態に戻ることがあります。
まずは乾燥させてみましょう。
・それでも戻らない場合は、張り直す。
長い間湿気でたわんでしまっていたり、暑さでたわんでしまった場合、乾燥させても元に戻らない場合があります。
その場合は残念ですが、キャンバスを木枠から剥がして、再度張り直すしか方法はありません。
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暑さでの緩みは、下地に原因があります。
麻布の上に白い塗料を塗っているのですが、その糊剤は昔は膠(にかわ)でした。
膠を混ぜることで、麻に際限なく塗料が染みてしまうのを防ぎ、生地にコシを与える事が出来ました。
ですが近年、手間のかかる膠より合成樹脂を使うことが多くなりました。
どうもこの合成樹脂が、熱に弱いようです。
近年の日本夏は、シャレにならないレベルで猛暑なので、キャンバスの保管場所にはお気を付けください。
キャンバスは生ものです
涼しい場所、適度に乾燥した場所に保管しましょう。