【水彩紙】紙も風邪をひく? 水彩紙を保管する時、気を付けること
こんにちは、画家の金剛寺です。
だんだん梅雨に近づいてきましたね。
今日は、水彩紙の保管についてお話していきたいと思います。
結論から言うと
・風通しの良い所に置く
・もしくはビニール袋に乾燥剤を入れて保管する
・直射日光の当たらないところに置く
・1年以内に使い切れる分ぐらいの量を買う
この辺がポイントになります。
紙に大敵なのが
・直射日光
・湿気
直射日光が悪いのは、紙が黄ヤケしてしまうからです。
これはなんとなく想像がつくかと思います。
ではなぜ湿気が大敵なのでしょうか?
それは紙に施された「にじみ止め」と関係があります。
水彩紙には「にじみ止め」という加工が施されています。
この「にじみ止め」をしていないと、ジュワーッと色が広い範囲に染みこんでしまい、クッキリシャープに描けなくなってしまったりします。
なので、ほどよく染み込むように「にじみ止め」という加工が施されています。
ちなみに、にじみ止めの加工を施すことを「サイジング」と呼びます。
水彩紙のにじみ止めには、ゼラチンやマツヤニなどが使われているようですが・・・
水彩紙業界において、「にじみ止め」は紙のキモなので、何を使っているかは企業秘密とされています。
日本画や、書道の紙には「ドーサ液」と呼ばれるにじみ止めが使われています。
こちらはニカワ(ゼラチン)とミョウバンを混ぜて作られています。
(もちろん水彩紙にドーサ液を塗っても問題はありませんよ。)
さて、そのにじみ止めですが、湿気が多いと劣化して、ところどころ弱い部分が発生してしまいます。
そうすると、にじみ止めが弱くなってしまった部分に、絵具がしみ込みやすくなりまだらな状態になってしまうのです。
このにじみ止めが劣化してしまった状態を「紙が風邪をひく」と言います。
みんなも風邪には気をつけてね
もし、「紙が風邪を引いた」状態になってしまったら
良く乾かして、ホルベインの「マルチサイジング」を塗ると復活します。
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紙に筆や刷毛などで塗り、まる1日乾かしてから使うと良いでしょう。
水で薄めて、濃度を調節することが出来ます。
ホルベインの公式サイトでは、溶液と水の割合を1:1にしたものを塗布した動画が紹介されていました。
ホルベインの動画は、わかりやすくてお勧めです。
こうしたサイジング液で復活させることは可能ですが
やはり「消費しきれる量を買う」のがお勧めです。
紙は生ものです
ドンドン制作して、新しい紙をその都度購入していきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
どうぞ楽しいアートライフをお楽しみください。