絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

キャンバスに、水彩絵の具で描く方法

こんにちは、画家の金剛寺です。

 

水彩絵の具を使って、紙だけじゃなく、キャンバスにも描いてみたい。

キャンバスに水彩絵の具で描きたいけど、なんだかうまく絵の具がのらない?

 

そんなお悩みにお答えします。

 

 

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◆用意するもの◆

・油彩とアクリル両方使える兼用キャンバス

胡粉ジェッソ

・紙やすり 100~150番ぐらいの目の粗さ(紙やすりは無くてもOK)

・平筆、または刷毛(胡粉ジェッソを塗るためのもの)

・紙皿、または陶器などのお皿、またはパレット(胡粉ジェッソを塗るためのもの安価で良い)

 

◆キャンバスについて◆

キャンバスには「油彩用」と「油彩・アクリル兼用」のキャンバスがあります。

「油彩用」は、油分を含んだ下地材が塗られているため、水彩絵の具ははじいてしまいのりません。

 

「油彩・アクリル絵具兼用」のキャンバスであれば、アクリル系の下地材を使用している為、水彩絵の具でも描くことが出来ます。

 

◆お勧め商品 ホルベインACキャンバス◆

コットン(綿)でできた、油彩・アクリル兼用のキャンバスです。

麻のキャンバスより、お手頃価格で買うことが出来ます。

麻に比べて柔らかく、画布にしみ込みやすいので、水彩絵の具でキャンバスに描きたい場合はコットンがお勧めです。

 

サイズはいろいろあります。

お好みでどうそ。

 

 

ただし、そのまま直に描いても、あまりうまく絵の具がのりません。

そこで「胡粉ジェッソ」をあらかじめ塗っておくと、水彩絵の具がのりやすくなります。

 

 

胡粉ジェッソとは◆

胡粉ジェッソは、日本画胡粉に似せて作ったジェッソ(下地剤)です。

 

日本画の材料として使われている胡粉(貝殻の粉)が入った、白色の下地材です。

通常のジェッソよりもザラッとした質感が特徴です。

 

通常のジェッソでは、水彩絵の具をのせても弾いてしまい、あまりうまく発色しません。

胡粉ジェッソは絵の具がしみ込むので、アクリル絵の具や水彩絵の具でのにじみ、ぼかし、薄塗りなどに適しています。

 

水溶性ですが、乾くと耐水性になります。

 

 

 

 

◆お勧め商品 リキテックス 胡粉ジェッソ

 

盛り上げられる硬練りタイプもあります。

 

 

 

◆使用方法◆

・油彩とアクリル兼用のキャンバスの表面を、紙やすりで軽くやすります。

こうすることでジェッソの食いつきが良くなります。

この工程は省いてもOKです。

 

胡粉ジェッソをお皿や紙パレットなどに出し、そのまま薄めずにキャンバスに塗ります。胡粉ジェッソがザラザラしているため、傷ついても問題ないような安価な物がお勧めです。

 

塗りにくい場合は、平筆や刷毛に少し水を付けて胡粉ジェッソを薄めてみましょう。

平筆や刷毛は、キャンバスのサイズに合わせて選びましょう。

 

 

 

 

・キャンバスに全体的に塗ったら、乾かします。(1時間ぐらいで乾きます)

完全に乾いたら、もう一度胡粉ジェッソを塗ります。

1度塗りでも良いですが、2度塗りするとムラがなくなります。

 

・2度塗りし、乾いたら水彩絵の具で描いてみましょう。

 

胡粉ジェッソを使った筆や刷毛は、早めに洗い流しましょう。

固まると水に溶けなくなります。

 

 

いかがでしたか?

胡粉ジェッソは、紙、キャンバス、木などにも塗ることが出来ます。

制作の幅が広がりそうですよね。

 

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ここまでお読みいただきありがとうございます。

楽しいアートライフをお楽しみください。