絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

【アクリル絵具・水彩絵の具】ガッシュとは?

こんにちは、画家の金剛寺です。

 

画材屋さんに行くと、アクリル絵の具のコーナーに「アクリル絵の具」「アクリルガッシュ」とあったり

 

水彩絵の具のコーナーに「透明水彩絵の具」「ガッシュ」などがあります。

ガッシュ」?

ガッシュ」って何だろう・・・(。´・ω・)?

そんな疑問にお答えします。

 

今日は「ガッシュ」についてお話していきたいと思います。

 

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 ガッシュ」とは「不透明な絵具」のことと考えて、ほぼ良いでしょう。

 

そもそもガッシュとは

ガッシュ(Gouache)フランス語で「不透明な水彩絵の具」を指す言葉です。

イタリア語のGuazzo(水たまり、不透明水彩技法)からきた言葉だと言われています。

 

ですが、今日、「水彩絵の具」に限らず、アクリル絵の具にも「ガッシュ」があります。

 

なので

ガッシュ = 不透明な絵具 と考えてよいでしょう。

 

ちなみに

水彩絵の具には「透明水彩絵の具」と「不透明水彩絵の具」があります。

 

透明水彩絵の具」・・・下に書いた線が透けて見える、透明感のある絵具。

不透明水彩絵の具」・・・下の描いた線が透けない、不透明感のある絵具。

 

 

透明水彩絵の具」も「不透明水彩絵の具」も材料は同じ

顔料(色のもとになる粉末)+アラビアガム(水を含むとゼラチン状になる)

でできています。

 

顔料は、それ自体に定着性(紙などにくっつく性質)はありません。

顔料を水で溶いて紙に塗っても、乾くと粉になって飛んでしまいます。

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水彩絵の具は、顔料に糊剤としてアラビアガムを混ぜることで、紙に定着するようにできています。

 

同じものでできているのに、なぜ「透明水彩絵の具」「不透明水彩絵の具」になるのでしょうか?

 

それは

透明水彩絵の具」・・・アラビアガム多め

不透明水彩絵の具」・・・顔料が多め

 

に出来ているからです。

 

 

タピオカドリンクで例えてみましょう

 

タピオカ ⇨ 顔料

無色透明なジュース ⇨ アラビアガム

としてイメージしてください。

 

 透明な、同じ容量のカップ

ジュース+タピオカ10個入っている場合。

向こう側が透けて見えます。

これが「透明水彩絵の具」

 

ジュース+タピオカが30個入っている場合。

タピオカぎっしりで、向こう側が透けて見えません。

これが「不透明水彩絵の具」です。

 

*ただし、「透明水彩絵の具」であっても全ての色が完全に透明ではありません。

色によっては透けにくい色もあります。

 

これを踏まえて。「透明水彩絵の具」と「不透明水彩絵の具」の特徴を考えると

 

透明水彩絵の具」

・描いた下書きの線が、透け見えます。

・透けるので、修正する(上から違う色を重ねて塗りつぶす)ことは難しいです。

 

不透明水彩絵の具」

・描いた下書きの線が透けて見えません。

*水を多く混ぜれば、透けて見えるようにはできます。

・色を塗り重ねても、下の色が透けないので、修正がしやすいです。

 

 

この特性は、アクリル絵具でも同じです。

アクリルガッシュと書かれているものは、不透明なアクリル絵具です。

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ガッシュと書かれていないアクリル絵具は、色によって透明感のあるものと、不透明な色が混在しているアクリル絵具です。

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 絵の具のチューブをよく見ると、「透明」「半透明」「不透明」のように、表記されています。

 

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レギュラータイプ - 商品情報 - リキテックスより

 

 

ガッシュ」は水彩絵の具にしても、アクリル絵の具にしても

不透明なので、しっかりとした物質感が出ます。

 

また、修正がしやすいので、何度も試行錯誤して描くタイプの方や

描き込みたいタイプの方にお勧めです。

 

とはいえ、自分がどんな作品を描きたいかによりますから

仕上げたいイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。

やはり実際に描いてみない事には始まりません。

 

気になる絵の具を「まずは試してみる」のが、良いでしょう。

 

それでは楽しいアートライフをお楽しみください。