絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

【油絵】日本製のお勧め油絵具 こだわりぬいた素材が光る、マツダ「スーパー油絵具」 

こんにちは、画家の金剛寺です。

今日は、日本製のお勧め油絵具

松田株式会社「スーパー油絵具」をご紹介していきます。

 

松田株式会社

スーパー油絵具 全104色

マツダ スーパー油絵具20ml 12色セット(S-3)

 

マツダ スーパー油絵具 S─3 12色セット

新品価格
¥13,200から
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画家、山下新太郎先生、岡鹿之助先生のご指導のもと、研究と開発を重ねて生まれたのが「スーパー油絵具」です。

  

山下新太郎

「読書」(ブリジストン美術館

 

表具師の家に生まれる。

中国の敦煌から招来された仏画の修復を手掛けたのをきっかけに、油彩画の修復や保存も学び、この分野の日本における草分けとなった。

また、留学中から額装を蒐集(しゅうしゅう)し、自作の額装にもこだわった。

 著書「絵の化学」「油絵の化学」を出版

 

 

岡鹿之助

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「遊蝶花」(下関市立美術館)

 

劇評家、岡鬼太郎の長男として生まれる。

鹿之助は自分の絵のマチエール(材質感、テクスチャー)が、西洋画家に比べると「指で触れればボロボロとくずれ落ちそう」なほど弱々しいことを痛感し、画材と技術の研究を始める。その結果、岡の特徴の一つである点描による表現が生まれた。

 著書「油絵のマティエール」を出版

 

 

「スーパー油絵具」に使用されている顔料は、数千種類の顔料の中から、厳選したヨーロッパの顔料が使われています。

体質顔料(練の硬さなどを調節する顔料)を極力減らし、濃度や堅牢性の高い仕上がりとなりました。

 

顔料を練るオイルは、ポピーオイルを使用。

ポピーオイルは乾燥が遅く、黄変(時間とともに黄色く変色する現象)しにくい性質があります。

時間と手間暇をかけた、マツダ絵具の最高傑作と言えます。

 

マツダの「スーパー油絵具」は、発色がキリリと美しい絵具です。

混色しても濁りにくく、深みのある色合いになります。

 

個人的には「バーミリオン」の発色が素晴らしいと思っています。

朱色っぽい赤色なのですが、燃えるような紅葉のような色でとても鮮やかです。

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「テールベルト」も、私が好きな色です。

マツダのは濡れた松葉のような、黒に近いグリーンをしています。

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私はよく、黒代わりにテールベルトグリーンと他の色を混ぜて、暗黒色をつくり使用しています。

こうすると、単純に黒を使うより複雑な色味が出せるのです。

 

 

マツダ絵具のチューブを持つと、(色にもよりますが)ズシリと重さがあります。

これは顔料をいっぱい使ってる証拠です。

 画材屋さんでみかけたら、ぜひ手に取って重さを体感してみてください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

楽しいアートライフをお楽しみください。