【油絵具】油絵具を早く乾かしたい! 油絵を早く乾かすコツ
こんにちは、画家の金剛寺です。
油絵具がぬるぬる滑って、絵が描きにくい
こんなに乾きが遅いと思わなかった・・・
そんなお悩みありませんか?
今日は、油絵具を早く乾かすコツをお伝えしていきます。
とはいえ
油絵具は、顔料(色の元になる粉)をオイルで練っている物なので、基本的には乾きにくい絵具です。
「早く乾かす」と言っても、1日ぐらいはかかるので、そこはご了承ください。
さて、油絵具を早く乾かすコツについてお話ししする前に
「油絵具が乾く」しくみについて、お話していきたいと思います。
◆油絵具が「乾く」しくみ◆
水彩絵の具や、アクリル絵具は水分が蒸発して乾きますが
油絵具はオイルと酸素が結合して固まります。
つまり、蒸発ではなく、化学反応で固まるのです。
なので、ドライヤーや扇風機を画面に当てても、乾きを早くすることが出来ないのです。
*ドライヤーは危ないので止めましょう。火気厳禁です。
<油絵のオイルの基本>
油絵具は、様々なオイルを使用して描きます。
オイルは大きく分けて2種類あり
・揮発性油・・・オイルが蒸発して乾く
・乾性油・・・・オイルが酸素と結びついて固まる(乾く)
この2種類を使い、油絵を描いていきます。
<揮発性油>
揮発性油は、揮発(蒸発)するので早く乾きます。
使用量にもよりますが、だいたい30分~1時間ぐらいで乾きます。
このオイルには、油絵具をキャンバスにくっつける力は弱いので、揮発性油だけで油絵を描いていくことはできません。
代表的な揮発性油
・テレピン(ターペンタイン)
・ペトロール
無臭・微香性の物は「オドレス~」と名称がついています。
ただし、テレピン油(ターペンタイン)に「オドレス」タイプはありません。
<乾性油>
オイルの成分が、酸素と結合して固まります。
油絵具は、化学反応で固まる(乾く)のです。
代表的な乾性油
・リンシードオイル(亜麻仁油)
・ポピーオイル
・サフラワーオイル(ベニバナ油)
ちなみに全く乾かないオイルを「不乾性油」といいます。
菜種油、オリーブオイルなどが「不乾性油」になります。
<調合油>
色々なオイルを混ぜて作られたオイルです。
代表は「ペンチングオイル」です。
会社によってブレンドは様々ですが
「テレピン油またはペンチング」+「リンシードオイル」
つまり
「揮発性油」+「乾性油」のブレンドです。
乾性油だけだと、ネットリしすぎて筆さばきが悪いので、サラッとした揮発性油を混ぜています。
自分で調合することももちろんできます。
さて、前置きが長くなりましたが
以上の事をふまえて、早く乾かすコツについてお話していきます。
【早く乾かすコツ①】
速乾性のオイルを使う。
調合油の中でも、「樹脂」成分がブレンドされた、乾きが早いオイルを使うと良いでしょう。
薄塗りで絵を描く方には、速乾性のオイルがお勧めです。
【お勧め商品】
クイック画溶液 クリスタルパンドル スペシャル
[成分]アクリル樹脂、ペトロール
・黄変しない、無色透明なオイルです。
・光沢や透明感が増します。
・堅牢(丈夫)な膜を作ります。
・薄塗りであれば、半日ぐらいで表面が乾きます。
私も愛用しております。
黄変しないのでお勧めです。
スペシャルペンチングオイル
[成分]重合アマニ油、テレピン油、ダンマル樹脂、乾燥促進剤
・通常のペンチングオイルより、乾きが早い
・黄変が少ない
・天然樹脂の柔和な光沢と、重合アマニ油(スタンドリンシードオイル)のシャープな発色が特徴です。
ホルベインの「スペシャルペンチングオイル」は、入手がしやすいのでお勧めです。
自然な光沢があるので、落ち着いた雰囲気になります。
【早く乾かすコツ②】
速乾性のメディウムを混ぜる。
オイルだと、シャバシャバになって使いにくい方には、速乾性のメディウムがお勧めです。
【お勧め商品】
ラピッドメディウム
・淡い黄色味がかった、透明なペースト状メディウムです。
・光沢と、透明感が出ます。
・混ぜる量に制限はありませんが、多くなぜると透明感が出ます。
・画面の内側から固め、黄変せず、亀裂の無い強靭な塗膜を作ります。
・塗った厚さにもよりますが、数十分~数時間で乾燥させることが出来ます。
いかがでしたか?
用途に合わせて使い分けてみてくださいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
楽しいアートライフをお楽しみください。