【油絵具】使い方要注意! 下からにじみ出る「レーキ系」油絵具
こんにちは、画家の金剛寺です。
今日は、使い方に気をつけたい油絵具のお話をしたいと思います。
クリムゾンレーキなど、○○レーキと名前の付いた絵の具があります。
*このカラーチャート(色見本)は、インターネットでご覧いただくためのデジタルデータです。
実際の色味とは異なります。
*カラーチャート(色見本)左側は原色です。右側はパーマネントホワイトSFと1対1に混ぜた時の色です。
この「レーキ」の絵の具を描き初めに使用し、上からホワイト系の絵の具をのせると、ジワジワと下から色が染み出てしまうのです。
この、下から色がジワジワ染み出てくる現象を「ブリード」といいます。
ブリードしてしまった画面は、もう修正ができません・・・・。
上から絵の具を重ねても、またジワジワとにじみ出てしまうからです。
どうしても気になる場合は、その部分を「ストリッパー」などの剥離剤で、無理やり剥がして描き直すしか手段がありません。
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ただし、ストリッパー等の剥離剤は劇薬です。
取り扱いには十分注意しましょう。
◆ストリッパーの使い方◆
・皮膚の弱い方は、ゴム手袋をした方が良いでしょう。
・必ず風通しの良い部屋で作業を行うようにしましょう。
・剥がしたい部分に筆でストリッパーを塗り、数分~10分ほど待ちます。
あまり長時間置くと、キャンバス地まで影響してしまうので、待ち時間を調節しましょう。
・絵具が浮いてきたような感じが出たら、ペインティングナイフなどでこそげ取ります。
(注意!)
*皮膚や目についた場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
場合により、医者の診断が必要です。異常を感じたらすぐに病院に行きましょう。
*涼しい場所に保管しましょう。
液体の温度が高いと、開けたときに液体が飛び散る恐れがあります。
開け口を体に向けず、ゆっくりとフタを開けましょう。
私も昔、画面を剥がすのに使ったことがありますが
ハッキリ言って描き直した方が早い です。
剥がしたところと、剝がしていない部分に段差ができてしまい、どうにも描きにくかったですし、段差を埋めるにも一苦労しました。
このように、レーキ系の油絵具を下塗り段階で使用してしまうと、大変面倒なことになります。
しかし、仕上げに近い段階で使用するのは問題ないと思います。
または、もともと赤系の色を使用する部分に使うのなら、特に気にならないと思います。
レーキ系の油絵具は、下塗り段階で使用しない
色自体はキレイな色なので、以上の事をふまえて使用してみてくださいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
楽しいアートライフをお楽しみください。