絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

【油絵具】使い方要注意! 下からにじみ出る「レーキ系」油絵具

こんにちは、画家の金剛寺です。

今日は、使い方に気をつけたい油絵具のお話をしたいと思います。

 

クリムゾンレーキなど、○○レーキと名前の付いた絵の具があります。

 

f:id:art-biyori:20210629080118p:plain

*このカラーチャート(色見本)は、インターネットでご覧いただくためのデジタルデータです。

実際の色味とは異なります。

 

*カラーチャート(色見本)左側は原色です。右側はパーマネントホワイトSFと1対1に混ぜた時の色です。

 

 

holbein-shop.com

 

 

この「レーキ」の絵の具を描き初めに使用し、上からホワイト系の絵の具をのせると、ジワジワと下から色が染み出てしまうのです。

 

この、下から色がジワジワ染み出てくる現象を「ブリード」といいます。

 

ブリードしてしまった画面は、もう修正ができません・・・・。

上から絵の具を重ねても、またジワジワとにじみ出てしまうからです。

 

どうしても気になる場合は、その部分を「ストリッパー」などの剥離剤で、無理やり剥がして描き直すしか手段がありません。

 

 クサカベ 画溶液「ストリッパー」

 

クサカベ 画用液 クサカベストリッパー 55ml

新品価格
¥396から
(2021/7/2 08:40時点)

 ただし、ストリッパー等の剥離剤は劇薬です。

取り扱いには十分注意しましょう。

 

 

 

◆ストリッパーの使い方◆

・皮膚の弱い方は、ゴム手袋をした方が良いでしょう。

 

・必ず風通しの良い部屋で作業を行うようにしましょう。

 

 ・剥がしたい部分に筆でストリッパーを塗り、数分~10分ほど待ちます。

あまり長時間置くと、キャンバス地まで影響してしまうので、待ち時間を調節しましょう。

 

・絵具が浮いてきたような感じが出たら、ペインティングナイフなどでこそげ取ります。 

 

(注意!)

*皮膚や目についた場合は、すぐに水で洗い流しましょう。

場合により、医者の診断が必要です。異常を感じたらすぐに病院に行きましょう。

 

*涼しい場所に保管しましょう。

液体の温度が高いと、開けたときに液体が飛び散る恐れがあります。

開け口を体に向けず、ゆっくりとフタを開けましょう。

 

パレットナイフ, アート, 趣味, ペイント, 絵画, 芸術, 創造的です, スタジオ, 創造性, アクリル

 

 

 

私も昔、画面を剥がすのに使ったことがありますが

ハッキリ言って描き直した方が早い です。

 

剥がしたところと、剝がしていない部分に段差ができてしまい、どうにも描きにくかったですし、段差を埋めるにも一苦労しました。

 

 

 

このように、レーキ系の油絵具を下塗り段階で使用してしまうと、大変面倒なことになります。

 

しかし、仕上げに近い段階で使用するのは問題ないと思います。

または、もともと赤系の色を使用する部分に使うのなら、特に気にならないと思います。

 

 レーキ系の油絵具は、下塗り段階で使用しない

 

色自体はキレイな色なので、以上の事をふまえて使用してみてくださいね。

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございます。

楽しいアートライフをお楽しみください。