【油絵具】初心者必見! 油絵具の「ブラック」の種類と特徴
こんにちは、画家の金剛寺です。
前回は油絵具の「ホワイト」についてお話ししました。
今回は「ブラック」についてお話していきたいと思います。
「ブラック」と一口に言っても、油絵具には「色味のある黒」が複数存在しています。
単なる無彩色の「黒」ではなく、白や他の色と混色すると、うっすら青みがかったグレイになったり、赤みがかったグレイになります。
これは顔料の種類が違うためです。
どんな顔料が使われているのか見てみましょう。
【代表的なブラックの種類】
・アイボリブラック
・ピーチブラック
・ランプブラック
・ブルーブラック
◆アイボリーブラック◆
動物の骨を炭化したものが使われています。
やや赤みのある黒です。
ホワイトと混ぜると、赤茶色系のグレイになります。
昔は象牙(アイボリ)を使っていた為、この名前が付きました。
現在は牛の骨を使っていることがほとんどです。
12色セット~などのセットに入っているブラックは、アイボリーブラックが入っていることが多いです。
赤・橙(だいだい)・黄などの温かみのある色(暖色系)を好んで使う方にお勧めです。
カビが生えやすいので、描いた作品は湿度の低い場所に保管しましょう。
◆ピーチブラック◆
昔は桃の種を焼いて顔料にしたことからこの名前が付きました。
現在は縮合アリニン系の、合成顔料で作られています。
色味は暖色(赤・橙・黄)と寒色(青緑・青・青紫)の中間である、中性色です。
漆黒度高く、見た目が一番黒いブラックです。
◆ランプブラック◆
油が不完全燃焼した時に出来る煤(すす)が顔料です。
青みのある、ツヤの無い黒です。
ホワイトと混ぜると落ち着いたグレイになります。
◆ブルーブラック◆
アイボリーブラック、またはカーボンブラック(油やガスを不完全させて得られる煤)とウルトラマリンの顔料を混合した黒です。
ウルトラマリンが入っているため、黒というよりは「黒に近い青」です。
ウルトラマリンは昔、ラピスラズリを粉末にしたものを顔料としていました。
現在は合成顔料のものがほとんどです。
ホワイトと混ぜると、青みが強く出ます。
いかがでしたでしょうか?
代表的なブラック4つをご紹介してきましたが、メーカーによっては他にも種類があります。
また、同じ名前のブラックでも、メーカーによって色味がやや異なります。
色々試してみて、自分の作品にピッタリのブラックを見つけてみてくださいね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
楽しいアートライフをお楽しみください。