こんにちは、画家の金剛寺です。
油絵で、絵具を盛り上げて描こうとすると、絵の具が滑ってうまくいかない・・・
厚塗りすると、なかなか乾かなくて、絵が進まない・・・
そんなことありませんか?
油絵具を盛り上げて描きたい場合、いくつかの方法があるのですが
今日は初心者の方でも出来る、簡単な方法をご紹介していきます。
◆絵の具の油を抜く◆
油絵具は「顔料(色のもとになる粉)」+「オイル」で練って作られています。
絵具に含まれるオイル分を抜くと、やや締まって硬くなり、盛り上げやすくなります。
[用意するもの]
・いらなくなった新聞紙、またはザラザラした紙の雑誌(ジャ〇プ、マガ〇ンなど)
・ペインティングナイフ、またはパレットナイフ
[油抜きの方法]
・いらなくなった新聞紙や雑誌を用意します。
ザラザラした表面の紙がお勧めです。
・新聞紙などの上に、絵の具をチューブから絞ってのせます。
・絵の具にホコリが付かないよう、サランラップをかぶせておきます。
・このまま1日置きます。
・翌日、サランラップを剥がし、ペインティングナイフ、またはパレットナイフで絵の具を新聞紙からすくい取り、パレットに乗せて使用します。
ようは「天ぷらを紙の上にのせて、油抜きする」のと同じです。
油をよく吸うように、ザラザラした紙が適しています。
油抜きをした絵の具を、このまま使用しても良いですが
乾燥を早めるメディウムと合わせて使用すると、より盛り上げやすくなります。
◆速乾性メディウム◆
メディウムとは「媒体」の意味で、顔料と支持体(キャンバスなどの描くもの)とをくっつけるものを指します。
ザックリ言うと、絵の具と混ぜる溶剤の事です。
メディウムには様々なものがありますが、ここでは私がお勧めする2社の速乾性メディウムをご紹介したいと思います。
[お勧めその①]
ウインザー&ニュートン
「リクイン・オレオパスト」(微光沢タイプ)
「リクイン・インパスト」(半光沢タイプ)
油絵具に混ぜて使う、ペースト状の速乾材です。
「オレオパスト」の方が、やや早く乾きます。
絵具に混ぜると
「オレオパスト」は微光沢
「インパスト」は半光沢になります。
光沢を出したい場合は、この後ご紹介する
絵具に混ぜる量に、制限は特にないですが
あまり多く混ぜると、絵の具の色味が薄くなってしまうので、多くても絵具と同量ぐらいにしておいた方が良いでしょう。
上記で紹介した、「油抜きをした絵の具」に混ぜて使うとより盛り上げやすくなります。
もちろん油抜きをしていない、チューブから出したばかりの絵の具に混ぜても盛り上げ効果があります。
*ウインザー&ニュートン社はイギリスのメーカーです。
コロナの関係で本国で欠品している場合、入手がしづらいことがあります。
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[お勧めその②]
「ストロングメディウム」(光沢のない、マットタイプ)
こちらも油絵具に混ぜて使う速乾材です。
半透明のペースト状ですが、乾けば透明になります。
ホルベインは日本のメーカーなので、ニュートンより入手しやすく、価格もお手頃です。
絵具をマットにしたい場合は「ストロングメディウム」
絵具に光沢を出したい場合は「ストロングメディウムグロス」を選びましょう。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
楽しいアートライフをお楽しみください。