絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

車の廃盤色が出ると、その色の絵の具も廃盤色になる ~絵の具界のバタフライエフェクト~

バタフライエフェクトバタフライ効果)とは

非常に些細で小さな変化が、様々な事態を引き起こし、徐々に大きな変化になる事を意味しています。

 



 

さて、タイトルの「車の廃盤色が出ると、その色の絵の具も廃盤色になる」ですが、その前に「顔料」について少しお話します。

◆顔料とは◆

顔料とは、超ザックリいうと、「色の元になる材料」の事です。

鉱物や土から作られるものや、化学反応で造られる合成のものなどがあります。

 

顔料はこんな感じに粉末状になっています

 

 

顔料だけでは定着しないので、バインダー(定着剤)を混ぜて定着させます。

その時に使う定着剤によって、水彩絵の具になったり、油絵具になったりします。

   

 顔料と定着剤を、良く練り合わせる事によって絵の具が出来ます。

 

◆顔料の用途◆

顔料は、印刷や塗料、絵具、プラスチックの着色、化粧品、織物、食品・・・など

様々な用途に使用されています。

 

特に使用量が多いのが車の塗料です。

 

車の無料写真

 

世界規模で考えると、車に使う顔料はかなりの量になります。

そもそも塗る面積も大きいですし、製造量が半端ないです。

 

車に使う顔料に比べれば、絵の具に使う顔料の量は半の一握りです。

なので、車の塗装に使う大量の顔料の一部を、絵の具の製造に利用する方がコスパがいいんです。

 

車の無料写真

      車の塗料サンプル

 

そんなわけで、車で廃盤色が出ると、その色の顔料が作られなくなり、絵の具も廃盤色が出る・・・

ということになるのです。