絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

絵具もカビる! ~カビやすい色がある~

梅雨が迫ってきましたね。

色んな物がカビやすい季節となりました。

 

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絵具もカビます。

 

水彩絵の具もそうですが、油絵具もカビます。

 

絵具は「顔料」という、色の元になる粉からできています。

この顔料は様々な物からできていて、色によってはカビやすい色があります。

 

カビやすい色、特に「アイボリーブラック」がカビやすいです。

 

アイボリーブラックは、牛の骨を炭にした物が使われています。

現在は合成の物が多いです。

(合成だとカビにくいかもしれません。)

 

 

ちょっと話がそれますが

10年ぐらい前に「狂牛病」という、牛がかかる病気が流行しました。

牛の脳がスポンジ状にスカスカになって死んでしまう、恐ろしい病気です。

人には感染しない・・・ようではありますが

牛肉や牛由来の物が色々処分されました。

 

デッサンとかで使う「牛骨」のモチーフですら、一時期品薄になりました。

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牛骨は静物デッサンなどによく使われます。カッコイイです。

 

そして牛の骨を炭にした顔料である「アイボリーブラック」も一時欠品になりました。

そしてその頃から合成のアイボリーブラックが主流となりました。

 

合成のアイボリーブラックだと、カビにくいかもしれませんが

牛の骨の炭からできている、昔ながらのアイボリーブラックは、カビが生えやすいです。

 

使いかけの油絵具の、チューブとフタの間がカビたり

チューブのお尻側がカビたりします。

 

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まぁ、拭けば問題ないですが

 

問題は描いた絵もカビが生えるという事です。

 

日本の高温多湿な環境は、油絵には厳しい環境です。

よく出入りするような、空気が循環する室内に置いている場合は、それほど神経質にならなくても良いと思いますが

倉庫のような、あまり空気が循環しないような場所では、梅雨時などカビが生えやすくなるので注意しましょう。

 

ちなみに描いた絵にカビが生えてしまった場合は、乾いた布などでふき取るしかないです。

 

保管場所には気を付けて、梅雨を乗り切りましょう。

 

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