絵具もカビる! ~カビやすい色がある~
梅雨が迫ってきましたね。
色んな物がカビやすい季節となりました。
絵具もカビます。
水彩絵の具もそうですが、油絵具もカビます。
絵具は「顔料」という、色の元になる粉からできています。
この顔料は様々な物からできていて、色によってはカビやすい色があります。
カビやすい色、特に「アイボリーブラック」がカビやすいです。
アイボリーブラックは、牛の骨を炭にした物が使われています。
現在は合成の物が多いです。
(合成だとカビにくいかもしれません。)
ちょっと話がそれますが
10年ぐらい前に「狂牛病」という、牛がかかる病気が流行しました。
牛の脳がスポンジ状にスカスカになって死んでしまう、恐ろしい病気です。
人には感染しない・・・ようではありますが
牛肉や牛由来の物が色々処分されました。
デッサンとかで使う「牛骨」のモチーフですら、一時期品薄になりました。
牛骨は静物デッサンなどによく使われます。カッコイイです。
そして牛の骨を炭にした顔料である「アイボリーブラック」も一時欠品になりました。
そしてその頃から合成のアイボリーブラックが主流となりました。
合成のアイボリーブラックだと、カビにくいかもしれませんが
牛の骨の炭からできている、昔ながらのアイボリーブラックは、カビが生えやすいです。
使いかけの油絵具の、チューブとフタの間がカビたり
チューブのお尻側がカビたりします。
まぁ、拭けば問題ないですが
問題は描いた絵もカビが生えるという事です。
日本の高温多湿な環境は、油絵には厳しい環境です。
よく出入りするような、空気が循環する室内に置いている場合は、それほど神経質にならなくても良いと思いますが
倉庫のような、あまり空気が循環しないような場所では、梅雨時などカビが生えやすくなるので注意しましょう。
ちなみに描いた絵にカビが生えてしまった場合は、乾いた布などでふき取るしかないです。
保管場所には気を付けて、梅雨を乗り切りましょう。