絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

デッサン力とは何か? 

こんにちは、画家の金剛寺です。

 

絵を描いていると、「デッサン力」という言葉をよく聞くようになります。

では「デッサン力」とは何なのでしょうか?

 

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私は

・物の形を正確に描ける力

・物の物らしさを表現する力

この2つだと考えています。

 

 

◆物の形を正確に描ける力◆

これは言葉の通り、見たものをそのまま再現できる力の事です。

 

特に幾何形体(丸、四角、楕円など)は、ちょっとした歪みがすぐにわかってしまうので、力量がすぐにわかってしまいます。

 

 

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コップやビン、皿などは、円、楕円、垂直で出来た無機物や

ビル、窓ガラスなど、歪んでいると気になる形をしています。

 

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例えばこのビン・花・果物を描く場合

果物や花は、多少形が狂っていても気になりませんが、ビンは形が狂うと気になります

 

 

よく、垂直、水平が描けなくて、定規で描こうとする方がいますが

製図やイラストはともかく、絵画の場合は定規を使うのはやめましょう。

 

定規を使った部分だけ、変な精度が出てしまい、画面全体の調和をそこなってしまうからです。

 

定規を使わずに描くコツは

ヒジから先を固定したイメージで、肩から動かして描くような感じで描くと上手く出来ます。

手首や指の動きだけで描こうとすると、まっすぐ引けません。

 

この辺はもう、練習するしかないです。

テッシュの箱や、コップなどを描いて練習してみましょう。

 

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コップは慣れてきたら材質の違うもの(紙コップ・ガラス・陶器など)を描き分けたり

2個~3個並べてみると、良い練習になります。

 

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◆物の物らしさを表現する力◆

「物の物らしさ」を見つけて表現する力は、絵画では非常に大切です。

 

もっとわかりやすく言えば「観察力」です。

 

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例えばリンゴを描くとします。

りんごの形はまん丸ではありません。

 

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上から(または下から)見ると、五角形の形をしています。

 

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輪切りにすると、種が五角形の形に入っているのが分かります。

種の部分を覆うように、果肉が付いているのです。

 

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このように、リンゴ一つとっても「リンゴらしさ」を色々発見できるのです。

沢山の事を五感で発見でき、かつそれを表現できる力が大切です。

 

これは普段から訓練出来ます。

例えば空の色でも、夏と冬では違います。

 

夏の空は、色が濃くハッキリした色味

冬は天高く、やや淡いスッキリとした色味・・・

(これはホンの一例です)

 

どうしたらより夏らしい空になるのか?

どうしたらより冬らしい空になるのか?

 

何が違うのか?

どう違うのか?

 

をじっくり考えて観察してみましょう。

観察する力を付けると、より作品に深みや幅が出来、素晴らしいものになりますよ。