デッサン力とは何か?
こんにちは、画家の金剛寺です。
絵を描いていると、「デッサン力」という言葉をよく聞くようになります。
では「デッサン力」とは何なのでしょうか?
私は
・物の形を正確に描ける力
・物の物らしさを表現する力
この2つだと考えています。
◆物の形を正確に描ける力◆
これは言葉の通り、見たものをそのまま再現できる力の事です。
特に幾何形体(丸、四角、楕円など)は、ちょっとした歪みがすぐにわかってしまうので、力量がすぐにわかってしまいます。
コップやビン、皿などは、円、楕円、垂直で出来た無機物や
ビル、窓ガラスなど、歪んでいると気になる形をしています。
例えばこのビン・花・果物を描く場合
果物や花は、多少形が狂っていても気になりませんが、ビンは形が狂うと気になります
よく、垂直、水平が描けなくて、定規で描こうとする方がいますが
製図やイラストはともかく、絵画の場合は定規を使うのはやめましょう。
定規を使った部分だけ、変な精度が出てしまい、画面全体の調和をそこなってしまうからです。
定規を使わずに描くコツは
ヒジから先を固定したイメージで、肩から動かして描くような感じで描くと上手く出来ます。
手首や指の動きだけで描こうとすると、まっすぐ引けません。
この辺はもう、練習するしかないです。
テッシュの箱や、コップなどを描いて練習してみましょう。
コップは慣れてきたら材質の違うもの(紙コップ・ガラス・陶器など)を描き分けたり
2個~3個並べてみると、良い練習になります。
◆物の物らしさを表現する力◆
「物の物らしさ」を見つけて表現する力は、絵画では非常に大切です。
もっとわかりやすく言えば「観察力」です。
例えばリンゴを描くとします。
りんごの形はまん丸ではありません。
上から(または下から)見ると、五角形の形をしています。
輪切りにすると、種が五角形の形に入っているのが分かります。
種の部分を覆うように、果肉が付いているのです。
このように、リンゴ一つとっても「リンゴらしさ」を色々発見できるのです。
沢山の事を五感で発見でき、かつそれを表現できる力が大切です。
これは普段から訓練出来ます。
例えば空の色でも、夏と冬では違います。
夏の空は、色が濃くハッキリした色味
冬は天高く、やや淡いスッキリとした色味・・・
(これはホンの一例です)
どうしたらより夏らしい空になるのか?
どうしたらより冬らしい空になるのか?
何が違うのか?
どう違うのか?
をじっくり考えて観察してみましょう。
観察する力を付けると、より作品に深みや幅が出来、素晴らしいものになりますよ。