絵を楽しむ

画材店に勤務する画歴20年以上の画家が、お勧めの画材などをご紹介していきます。

【初心者必見】他では教えない 初心者に本当に必要なオイル2点  

こんにちは、画家の金剛寺です。

 

油絵って描いてみたいけど、なんだか難しそう・・・

オイルはいろんな種類があるけど、どれを選んだらいいの?

 

f:id:art-biyori:20210422094117p:plain

 

そんな疑問にお答えします。

以前に「【初心者必見】はじめてそろえる油絵の道具 これがお勧め」でもお伝えしましたが、私がお勧めするオイルはこの2点です。

 

ホルベイン オドレスペトロール

マツダ クリスタルパンドルスペシャ

 

この2点のオイルを、初心者にお勧めしている本やブログは、ほぼ無いと思います。

だいたいは

 

「ターペンタイン(フランス語でテレピン)」または「ペトロール

と、

「リンシードオイル」または「ポピーオイル」

を紹介しているかと思います。

 

確かにオーソドックスで、油絵を理解する上では重要なオイルです。

 

ですが、私は「作業のしやすさ」に重点を置いて

ホルベイン オドレスペトロール

マツダ クリスタルパンドルスペシャ

の2点をお勧めしたいと思います。

 

なぜこの2点を、初心者にお勧めするのかを詳しく説明していきたいと思います。

 

 

まず、オイルには「揮発性油」「乾性油」があります。

 

「揮発性油」

・ターペンタイン(テレピン

・ペトロール

 

「乾性油」

・ポピーオイル

・リンシードオイル・・・など様々なオイルがあります。

 

f:id:art-biyori:20210422094501p:plain

 

 

「揮発性油」の特徴

・サラサラとしていて、15分~30分ぐらいで乾くオイルです。

・「揮発性油」には、油絵具をキャンバスに定着力(くっつける力)はありません。

・描き初めに「揮発性油」と油絵具を混ぜて使うことで、キャンバスに絵の具をしみ込ませ、次に使う「乾性油」の定着力を良くします。

 

つまり、「乾性油」を描き初めに使うことで、後から使う「乾性油」の定着を良くするためのオイルです。

 

これは絵具の剥離(絵の具がキャンバスから剥がれ落ちてしまう)を防ぐ効果があります。

 

 

では、私がお勧めする「オドレスペトロール」とはどんなオイルなのかと言いますと

匂いが無い、無臭のタイプの「揮発性油」です。

 

揮発性油のお勧め

ホルベイン オドレスペトロール

f:id:art-biyori:20210422081133p:plain

 

webshop.sekaido.co.jp

 

ターペンタインもペトロールも、石油系のような匂いがします。

しかし、「オドレス」と書かれた商品は、匂いが無い「無臭タイプ」なのです。

 

「Odorless」の意味は「無臭の~」です

 

オドレスタイプは、やや乾きが遅く感じられますが、それ以外は通常のペトロールと変わりません。

*ちなみにターペンタインには、「オドレス」タイプは存在しません。

 

部屋で作業していると、慣れないと匂いに酔ってしまいます。

なので、私は「オドレスペトロール」をお勧めします。

 

ただし、換気はするようにしてくださいね。

無臭ですが、オイルが揮発しているので、体に良くない気体を吸い込んでしまいます。

 頭が痛くなったりするようであれば、窓を開けて換気をしましょう。

 

ホルベインのオドレスペトロールをご紹介しましたが、他のメーカーの「オドレス」タイプももちろんお勧めです。

 

 

「乾性油」のお勧め

 ・マツダ クリスタルパンドルスペシャ

 

f:id:art-biyori:20210422081028p:plain

webshop.sekaido.co.jp


【乾性油の特徴】

・乾性油は、絵の具をキャンバスに定着させる力(くっつける力)があります。

・酸素と結合して固まります。

 

 

私がマツダの「クリスタルパンドルスペシャル」をお勧めする理由は2つあります。

・乾きが早い

・黄変しない

 

 

リンシードオイルやポピーオイルなどの乾性油は、乾きが遅いです。

表面が乾くのに1週間ぐらい

絵具が中まで乾くのに1か月~3か月ぐらいかかります。

絵具を厚く画面にのせると、それだけ乾きが遅くなります。

 

ちなみに「乾く」と言っていますが、蒸発するわけではありません。

乾性油は「酸素と結合して固まる」、つまり化学反応で固まるのです。

 

なので、ドライヤーとか扇風機で風を当てても、水彩絵の具のようにすぐ乾きません。

 

乾かないと、先に塗った絵の具が滑って描きにくかったり

色が画面で混ざりすぎて、濁ってしまったりします。

 

私も初めて油絵を描いた時、あまりの乾きの遅さに挫折しそうになったことがあります。

 

f:id:art-biyori:20210422095219p:plain

             乾かないなぁ~

 

 

しかし「クリスタルパンドルスペシャル」は、乾きが早いので

表面が乾くまで、早ければ3~6時間ぐらいで乾きます。

 

また、リンシードオイルだと、黄変(画面上の白色、または淡い色味が黄色味を帯びてしまう現象)の可能性がありますが、「クリスタルパンドルスペシャル」は黄変しません。

 

 

乾きが遅い方が、ぼかしやグラデーションがしやすいという利点ももちろんありますし、その辺は好みの問題がありますが

初心者の方には速乾性のオイルの方が、扱いやすいと思います。

 

以上が

私が「オドレスペトロール」と、マツダ「クリスタルパンドルスペシャル」をお勧めする理由です。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

楽しいアートライフをお楽しみください。

 

 

 

こちらの記事もお勧めです。

art-biyori.hatenablog.com